プロボノとは?企業での導入事例もご紹介!

プロボノとは?企業での導入事例もご紹介!

前回の記事ではパラレルキャリアについて解説していきましたが、パラレルキャリアの導入は、本業との両立や情報漏洩の面で不安を感じている企業の方も多いのではないかと思います。
前回も少しだけ触れた「プロボノ」であれば企業単位での参加が可能なため、管理もしやすくおすすめです。
職業の専門性を活かして活動する「プロボノ」には、さまざまなメリットがあるとされていますが、注意点、導入事例などを踏まえて解説していきます。

プロボノとは

プロボノとは、ラテン語で「公共善のために」を意味する「プロ・ボノ・プブリコ」を略した言葉です。
弁護士や公認会計士、中小企業診断士、コンサルタント、広告業界のクリエーターなどが、自身の専門的な知識や経験を活かして参加する、社会貢献活動のことを指します。
報酬を目的としないという意味ではボランティア活動とも言えますが、地域の清掃活動やイベントの運営補助などとは違い、職業の専門性を活かして活動するのが特徴です。
日本では2011年の東日本大震災をきっかけに、被災地で家具メーカーの職人が壊れた家具を修理したり、児童支援のプロが子どもたちの心のケアをしたりして、プロボノが注目されました。

プロボノに参加するメリット

プロボノに参加すると、次のようなメリットがあります。
前回の記事でご紹介した「パラレルキャリア」という働き方と共通するところも多いので、詳しく見ていきましょう。

スキルアップができる

プロボノに参加すると、会社のブランドや肩書きの力を借りずに、自分自身で問題解決や価値創造に取り組むことになります。
自分が専門とする分野であっても、本業とはまた違った視点で物事を見られるため、スキルアップが期待できます。

人脈が広がる

プロボノで活動することにより、新たな人脈ができるというメリットがあります。
チーム制で活動するプロボノも多いため、さまざまな環境で活躍する仲間に出会えますし、そこから新たなビジネスパートナーに発展することもあるようです。

社会貢献ができる

プロボノでは、自分の専門知識が人の役に立っていることを実感しやすく、充実感を得やすいというメリットがあります。
また、企業単位でプロボノ活動に参加すると、CSR活動(企業の社会的責任を果たす活動)にもなることから、企業のイメージアップや従業員の帰属意識向上にもつながります。

プロボノに参加する際の注意点

メリットの多いプロボノですが、参加する際にはいくつか注意すべきこともあります。

活動の選び方

プロボノに参加する際は、NPO法人などの団体に参加することが主流です。
最近はプロボノをしたい人とNPOを結びつけるマッチングサイトなどもあるので、それらを活用すると良いでしょう。
どのように選べば良いか分からないときは、「誰のために」「何ができるか」を軸にすると決めやすくなります。
例えば「子ども達のために」を軸にする場合は、勉強を教える、イベントを運営する、居場所を提供する、などの活動が選択肢に入ります。
また「自分は広報ができる」などスキルを軸にする場合は、団体の種類を問わず広報を探しているところに応募すれば良いというわけです。

本業とのバランスの取り方

プロボノは本業と並行して活動するため、使える時間が限られます。
プロボノが忙しくなり過ぎて、本業やプライベートに支障が出るようでは継続はできません。
そのため「週に何時間」など時間を決めて取り組むようにする必要があります。その中で時には、他の参加者と比べて「自分は活動量が少ない」「協力できていない」と感じたり、悩むこともあるでしょう。しかしそれは、メンバーそれぞれに違った環境、バックグラウンドがあるわけで、自分ができる範囲はどこまでかということ、周りと共有しながら取り組むことが本業とバランスを取っていくうえではとても重要です。

短期的なリターンを求めない

前述の通り、プロボノに参加すると人脈が広がったり、本業のビジネスにつながったりするメリットがあります。
ただ、プロボノに短期的な収入アップやビジネスチャンスを求めるのは良くありません。
あくまで社会貢献活動ですから、見返りを求めずにgiveの精神で取り組むことが大切です。

企業の導入事例

ここからは、企業単位でプロボノ活動を導入している事例をご紹介します。

パナソニック株式会社

実施年度:2011年~継続中
支援実績:46団体
SDGsに掲げられる第一の目標「貧困をなくそう」に向けて、貧困状態にある子どもや家庭を支援するPOに対するプロボノプロジェクトを推進しています。

株式会社三井住友フィナンシャルグループ

実施年度:2012年~継続中
支援実績:25団体
三井住友銀行をはじめ、グループ企業の社員によるプロボノ活動を通じて、NPOの寄付管理や業務フローの改善などを支援しています。

出典:企業との取り組み | サービスグラント (servicegrant.or.jp)

まとめ

プロボノは、職業の専門性を活かして取り組む社会貢献活動です。
活動に参加することにより、スキルアップや新たな人脈の形成などさまざまなメリットがあります。
近年は企業単位での参加も増えてきており、企業のイメージアップや従業員の帰属意識向上にも有効です。
パラレルキャリアの導入となるとハードルが高いと感じている企業の方も、まずは企業単位でプロボノを取り入れてみてはいかがでしょうか。