転職における食品業界特有の「不合格理由」とは?コンサルタントが語る事例と対策

公開日:2019/12/03 更新日:2025/04/15
転職における食品業界特有の「不合格理由」とは?コンサルタントが語る事例と対策

実際にあった食品業界応募者の「不合格事例」

転職活動での書類選考や面接において、一社会人として、業界を問わずNGとされるマナーやルールの他、業界によっては特有のNGポイントもあります。気を付けてさえいれば防げることが多いため、知っていて損はありません。ここでは、転職エージェントのコンサルタントが実際目にしてきた、食品業界の不合格事例をご紹介します。

事例1:履歴書の証明写真で印象ダウン?写真選びに要注意

近年では、履歴書に証明写真の添付を求めない企業も増えていますが、食品業界は新卒採用を実施する企業も多く、応募書類が適切に整っているかどうかも比較的丁寧にチェックされる傾向があります。
そのため、証明写真の添付が必須でない場合でも、できれば準備しておくほうが安心です。ただし、添付する写真の選び方によっては印象が大きく左右されるため、注意が必要です。

例えば、表情が暗く見える写真や不健康そうな雰囲気のものは、企業側に「元気がない」「体調に不安があるのでは」といった不安を抱かせてしまうことがあります。また、最近ではスマホの証明写真アプリを使用して、自撮り写真を添付している方もいらっしゃいますが、ビジネスの場にはそぐわない印象を与える可能性が高いため避けるのが無難です。

証明写真を添付する際は、街中の証明写真機などを活用し、清潔感があり明るい印象の表情で撮影されたものを選びましょう。背景は白や青などのベーシックな色を選び、髪が顔にかからないよう整えること、口角を軽く上げた自然な表情で撮影することを意識すると、より好印象につながります。

事例2:伝わらなければ意味がない。面接での業界用語や社内用語に注意

面接は、面接官とのコミュニケーションを通じて自分の強みや人柄を伝えられる貴重な機会です。自分のセールスポイントを直接アピールできる場のため、つい熱が入ることもあるでしょう。その熱意自体は決して悪いことではありませんが、想いがうまく伝わらなければ意味がありません。だからこそ大切なのが、「相手にきちんと伝わる言葉選び」を意識することです。

実際の面接で見られる失敗例のひとつが、業界用語や社内用語の多用です。自分では当然だと思っている言葉であっても、相手企業の担当者が必ずしも理解している言葉とは限りません。特に社内用語に注意し、できるだけ噛み砕いて誰にでもわかるような言葉に言い換える癖をつけておきましょう。

特に食品業界は、チームで仕事を進める場面が多いため、コミュニケーション力や対人スキルが重要視される傾向にあります。専門用語をわかりやすく伝える力や、相手の理解度に応じた説明力も大切な評価ポイントです。

このような言葉選びの配慮は、書類作成時にも同じことが言えます。自分の常識と相手企業の常識は必ずしもイコールではないことを忘れずに、言葉選びには丁寧さを心がけましょう。

事例3:転職理由が印象を左右する。避けたい3つのNGパターン

転職活動では、企業側に転職理由を聞かれる場面が必ずと言っていいほどあります。
特に食品業界では、長く腰を据えて働く人も多い業界のため、「なぜこのタイミングで転職を考えたのか」が明確であることは、選考において重要なポイントになります。

① 動機が曖昧

たとえば、「今の会社に特に不満はないけれど、御社の業務の方に魅力を感じたから転職したい」といった回答では、入社への意欲をうまく伝えることができません。企業側からは「もし別の企業にもっと興味を持ったら、またすぐに転職するのでは?」と、長期的な活躍への懸念を抱かれる可能性があります。 このような場合は、単に「興味があるから」ではなく、「自分のスキルや経験をどのように活かし、何を実現したいのか」といった、将来を見据えた転職理由として明確に伝えることが大切です。

② 後ろ向きな理由のみを伝えてしまう

前職の人間関係や職場環境に問題があった場合、「上司との関係が最悪だった」「社風が合わなかった」といったネガティブな要素だけをストレートに伝えてしまうと、感情的・他責的な印象を与えてしまう可能性があります。

こうしたケースでは、「事実と感情を切り分けたうえでの適切な開示」と、「ネガティブ→ポジティブ変換」が重要です。

大切なのは、「事実と感情を分けて整理し、前向きに言語化すること」。 まず事実を整理したうえで、「そのとき自分がどう行動したのか、その結果どうなったのか」を冷静に伝えましょう。さらに、そこから得た学びや、今後どう活かしていきたいかという点を交えてアピールポイントとして繋げていくと、印象は大きく変わります。

 ③「キャリアアップのため」と言うだけでは伝わらない

「キャリアアップ」と一言で伝えても、具体性がなければ説得力に欠けてしまいます。 大切なのは、「こういう環境でチカラを試したい」「こういうことにチャレンジしたい」という自分の意思や目指す方向をきちんと語れるかどうかです。転職を意識した際の「現職では成し遂げられない何か」を紐解いて自分の言葉に落とし込めると、納得感のある転職理由として受け入れやすくなります。

書類応募・面接前に改めてチェックを

現在では、転職はネガティブなものではなく、自身のキャリアを見直し、よりよい環境を求める前向きな選択肢として広く受け入れられています。

食品業界もかつてのような「一社で長く勤めるのが当たり前」という価値観にとらわれず、徐々に柔軟な採用姿勢へとシフトしています。
とはいえ、「納得感のある転職理由か」「長く働いてくれそうか」という点は、今なお企業側が重視するポイントです。

そのため、応募書類の記載内容や面接での言葉選びについても、丁寧に準備して臨むことが大切です。
記事内でご紹介してきたように、
・証明写真を含め、書類を適切に作成する
・相手にも伝わる言葉に言い換えて話す
・納得感のある転職理由を伝える
といった基本を押さえておくことで、選考時の印象は大きく変わってきます。

さらに近年では、企業が一方的に応募者をジャッジするのではなく、「企業の課題を解決してくれる人材を求める採用」へと変化しています。食品業界でも、既存事業のみならず新規事業開発を見据えた採用が増えており、即戦力としての貢献が期待される場面も多くなっています。

そのため面接では「採用してもらう」という受け身の姿勢ではなく、「入社後に自分はこう貢献できる」「こういう形でスキルを活かせる」という視点で自らをプレゼンできるかがより重要になります。

今回ご紹介したポイントを参考に、しっかりと準備を整えて、食品業界の選考に臨みましょう。

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